TAD Compact Reference生産終了

オーディオ理論を実験と検証に基づき現実のものとする。その必然が生みだすテクノロジーは、TADの美しい造形とクオリティとなる。

テクノロジー

オリジナルの優れたベリリウム製法「蒸着法」

「TAD」製品に採用されているベリリウムは、すべてオリジナル技術による蒸着法を用いて製造。蒸着法の優れている点は、分子組成を保ったまま粒子が結合することにより、金属では考えられないほどの高い剛性と内部損失をあわせ持つことを可能にしました。 また、蒸着法でベリリウムを生産できるのは世界で唯一です。

ベリリウム振動板の表面拡大写真と断層拡大写真


蒸着面


破断面

ベリリウム振動板の表面拡大写真と断層拡大写真

Material Density
(g/cm3)
Young modulus
(*E1ON/m2)
Velocity
(m/s)
Inner loss
(-)
Aluminum 2.7 7 5092 0.003
Titanium 4.4 11.9 5201 0.003
Beryllium 1.85 28 12302 0.005
Magnesium 1.78 4.5 5028 0.006
Boron Alloy 4.5 23 7149 0.005
Paper 0.2-0.8 0.003-0.6 1200-3750 0.02-0.1
Ceramic Carbon 1.4 3.5 5000 0.005
Ceramic Graphite 1.8 18 10000 0.01
Crystallized Diamond 3.4 90 16270 0.014

独自の蒸着法で、さらに高品質・高精度に。
「ベリリウム・ダイアフラム」搭載。

〈TAD Compact Reference〉のトゥイータードームとミッドレンジコーンには金属材料中最も軽量かつ高剛性という優れた素材であり、その実績において30余年の歴史を誇る「TAD」伝統のベリリウムを採用。ダイアフラムの製造には、独自に開発し長年培ってきた蒸着法を用いることにより、強度や均一性において一段と優れた性能を達成するとともに、高い内部損失を併せ持つことを可能としました。トゥイーターの形状には「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」というコンピューター解析による先進の最適化手法を導入。ダイアフラムに生じる分割振動を可聴帯域外へ追いやるとともに、さらに分割振動さえも的確にコントロールし、100kHzもの超高音域再生を可能としています。ミッドレンジには直接放射型の蒸着ベリリウム・ダイアフラムとしては最大級の口径となるコーンを採用。その圧倒的な再生能力によるハイスピードなサウンドは広帯域に渡り驚異的な透明感と高精度な再生を実現しています。


CST同軸ユニットの構造図

かつてない理想的な広帯域再生と指向特性を可能にする「CSTドライバー」。

目指したのは、「音像と音場の高次元での両立」。〈TAD Compact Reference〉に搭載した「CST(Coherent Source Transducer)ドライバー」は“位相の一致したひとつのポイントから広帯域に渡り指向性をコントロールした再生をする”という理想を具現化したものです。ミッドレンジのコーンは、それ自身が優れた音響特性を持つだけではなく、同軸配置されたトゥイーターの指向特性をコントロールする機能を併せ持つように綿密に計算された設計となっています。これによりトゥイーターとミッドレンジの音響中心を同一にし、クロスオーバーにおける位相特性と指向減衰特性とを一致させています。同軸スピーカーを進化させた「CSTドライバー」は、250Hz~100kHzという超広帯域再生能力と、その全帯域に渡り乱れることなくきれいに減衰する指向放射パターンを併せ持つことを可能にしました。これにより極めて明確で安定した定位とともに、広いサービスエリアとかつてない豊かで自然な音場空間表現を実現しました。


CSTドライバー

TAD Reference One 周波数特性概念図

TAD Reference One 周波数特性概念図

「ISOドライブテクノロジー」の採用により、「CSTドライバー」のクリアな駆動を実現。

「CSTドライバー」は、放射される音の振舞いを最適化するよう精密に設計されたヘッド形状を持つ高剛性エンクロージャーにマウントされています。その際、ドライバーの持つパフォーマンスを最大限に引き出し、正確な波形再生を実現するために、新開発の「ISO(Isolation)ドライブテクノロジー」を採用。エンクロージャーにドライバーユニットを設置する際、振動を遮断する機構を設けることで、「CSTドライバー」をエンクロージャーから構造的に分離させました。強力なドライブ能力を持つ「CSTドライバー」によるエンクロージャーの励振を防ぎ、エンクロージャーからの二次的な輻射音を低減しています。また、強力なウーファーの駆動による振動エネルギーや遅れを伴うキャビネットの共振も遮断。「CSTドライバー」の振動板から放射される音だけを正確にリスナーに届けることで、演奏者の繊細な動きに合わせ微妙に変化する音色や振幅の違いまで、その正確なディテールを描きだす解像度の向上を図りました。

CSTドライバーユニット分解写真

低歪、高リニアリティ、そして強靱な駆動力。常に波形を正しく再生する「20cmウーファー」

ウーファーは、磁気回路、振動板、サスペンションすべてのリニアリティを徹底的に追求しました。磁気回路には独自のショートボイスタイプの「OFGMS(Optimized Field Geometry Magnet Structure)回路」を採用。20mmのロングギャップでありながら、その間の磁束密度を均一化することを可能にしています。これにより小さな振幅から大きな振幅まで動作が安定し、高い駆動リニアリティを実現、常に音の波形を正しく再生します。また振動板には構造体強度も含めて理想的な物性を得るために「TLCC(Tri-Laminate Composite Cone)3層構造アラミド振動板」を採用。豊かでクリアな低音を再生すると同時にカラーレーションのない素直な中低域音の再生を実現しました。またサスペンション系は、TAD伝統のコルゲーションエッジを採用し、ここでも高いリニアリティを確保しています。


ウーファーユニット

流れるような優美さと不動の安定感を究めた、「SILENTエンクロージャー」

TAD Reference Oneで採用した「SILENT(Structurally Inert Laminated Enclosure Technology)エンクロージャー」を高さ約60cmに凝縮。厚さ21mmバーチプライウッド(樺合板)を骨組みに強固な枠組みを構成、高周波加熱プレス成型したラミネートMDF板やCNC加工合板を張り合わせて形成し、強度を極限まで引き上げています。さらにこの異素材の組合せによりエンクロージャーの共振の分散と高い制振性を実現。流麗なティアドロップ形状が、音の回折を低減し優れた音場表現と強度を実現するとともにエンクロージャーの不要共振と内部定在波を排除。また美しい天然木「ポメラサペリ」をピアノ仕上げした外観は工芸品の気品が漂います。

「TADホーン」の流体設計理論から誕生した、「エアロダイナミック・ポート・システム」

20cmウーファーの大振幅にもリニアな駆動力とそれに追従するサスペンションによるウーファーの能力を余すところなく引き出すためバスレフポートシステムに、TADプロで培われた精密な流体設計の理論をベースにデザインされた「エアロダイナミック・ポート・システム」を採用。フレア形状をもつこのポートは、ウーファーユニットが可動域の限界まで駆動しても風切り音がまったく発生しないほど滑らかな整流効果を発揮。大入力・大振幅時にもユニットをストレスなく駆動し、S/Nの良い深く澄んだ低音を実現します。また27.5㎜厚の無垢アルミベースを採用し、重心位置を下げるとともに設置条件による音質の変化を最小限に抑え、引き締まった低音を実現しています。

TAD Reference Oneから受け継いだ、厳選素材とパーツ群の採用

  • ■ 電気的・磁気的結合を排し、干渉のない給電を実現、トゥイーター/ミッド/ ウーファーセパレートマウント型「クロスオーバー・ネットワーク」
  • ■ CST用ネットワークを設置するリアパネルには、ヒートシンクの役目も果たす、 厚さ27㎜の切削アルミを採用
  • ■ 空芯コイル、無誘導巻線抵抗、PPフィルムコンデンサーなどに、オリジナルカスタムパーツを採用
  • ■ 確かな結線を保証する厚膜金メッキ処理を施した専用設計による大型削り出しスピーカー端子
  • ■ スピーカーシステムはもちろん、ユニットについても「シリアルナンバーによる厳格な製品管理」を実施


クロスオーバー・ネット
ワーク(CSTドライバー)


クロスオーバー・ネット
ワーク(ウーファー)


大型削り出し
スピーカー端子


アルミベース

TAD Compact Reference生産終了

カタログ

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