報道資料

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2009年7月7日
株式会社 テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ

匠の技を結集したフラッグシップモデルTADリファレンスシリーズから
待望のハイエンドスピーカー“TAD Compact Reference”「TAD-CR1」新発売

商品名 製品名 型番 希望小売価格 発売時期
スピーカーシステム TAD Compact Reference
TAD-CR1
1,942,500円(1本)
(税抜価格 1,850,000円)
11月中旬
スピーカースタンド TAD-ST1
(TAD-CR1専用)
126,000円(1本)
(税抜価格 120,000円)
12月中旬

企画意図

TAD(Technical Audio Devices)ブランドは、1975年の開発プロジェクト発足から現在まで約30年に亘る歴史を持ち、プロ用スピーカーユニットはプロフェッショナルスタジオのモニタースピーカーとして世界の録音現場の第一線で揺ぎ無い地位を築くなど、世界中の多くのトップアーティストやエンジニアから厚い信頼と高い評価を得てまいりました。2003年には「TAD-M1」で初の民生用スピーカーシステムを発売。2007年からは現行のフラッグシップモデル“TAD Reference One”を発売中です。
この度、TADラボが発売する民生用スピーカーシステム“TAD Compact Reference”「TAD-CR1」(以下TAD-CR1)は“TAD Reference One”の思想と技術をそのまま踏襲し、凝縮したモデル。CSTユニットの能力を最大限に発揮するためのシステムテクノロジーはそのまま踏襲しつつ、このサイズならではの点音源化が図られています。ラインアップの拡充により、お客様の選択肢を広げるとともに、より一層ブランドの強化を図ります。

TAD-CR1の主な特長

1)  理想的な点音源再生を追求、理想を具現化する同軸スピーカーCST*1ドライバー

CSTドライバーは、広い帯域幅に渡って駆動ユニットの位相と指向性をコントロールしたコアキシャル・スピーカー(同軸スピーカー)です。ミッドレンジのコーンは、素材や高い加工精度による優れた音響特性に加え、同軸配置されたトゥイーターの指向特性をコントロールする機能を併せ持つよう綿密な計算に基づいて設計しています。これによりトゥイーターとミッドレンジの音響中心を同一にし、トゥイーターとミッドレンジのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性とを一致させています。その結果250Hz~100kHzという超広帯域再生能力と、全帯域にわたって乱れることなくきれいに減衰する指向放射パターンを両立し、明確で安定した定位と、自然な音場空間表現を可能にします。
*1:CST=Coherent Source Transducer の略語

2)  TAD伝統の蒸着法によるベリリウム振動板を、ミッドレンジ及びトゥイーターに採用

トゥイータードームとミッドレンジコーンには、非常に軽量かつ剛性に優れた振動板として理想的な素材のベリリウムを採用。加工にはTADが独自に開発し長年培ってきた蒸着法を用いることにより、材料強度や均一性において一段と優れた性能を達成すると共に、内部損失が大きく卓越したコーンの高域共振の減衰特性をも実現しています。トゥイーターの形状には「HSDOM*2」という先進のコンピュータ解析による独自の最適化手法を導入し、分割共振を的確にコントロールすることで、100kHzもの超広帯域再生を可能としています。ミッドレンジには直接放射型の蒸着ベリリム振動板としては最大級の口径となるコーンを採用し、広帯域にわたり透明感のある高精度な音の再生を実現しています。
*2:HSDOM=Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Methodの略語

3)  波形を正しく再生。低歪みで高リニアリティの20cmウーファー

音の波形を常に正しく再生するためには、磁気回路、振動板、サスペンションのそれぞれが低歪で、駆動リニアリティが高くなければなりません。そのため磁気回路には独自のOFGMS*3回路を採用。ショートボイスコイル・ロングギャップタイプで、20mm長のロングギャップでありながら、その間の磁束密度を均一化しています。これにより小さな振幅から大きな振幅まで動作が安定し、高い駆動リニアリティを実現しました。また振動板には構造体強度も含めて理想的な物性を得るためにTLCC*4 3層構造アラミド振動板を採用。豊かでクリアな低音とカラーレーションのない素直な中域音の再生を実現しました。またサスペンション系は、エッジにはTAD伝統のコルゲーションエッジを採用し、ここでも高いリニアリティを確保しています。
*3:OFGMS=Optimized Field Geometry Magnet Structureの略語
*4:TLCC=Tri-Laminate Composite Coneの略語

4)  高い制振効果と強度をもつ、SILENT*5エンクロージャー

異素材の組合せによるラミネート構造材をたくみに使用し、横隔壁を骨格にすると共に、周囲を強固なパネルにすることで、全体の強度を引き上げました。フレーム構造とモノコック構造のメリットを活かし、静的・動的強度を上げつつ制振効果を最大限に高めます。エンクロージャーは厚さ21mmの樺合板を骨組みとして強固な枠組みを構成し、高周波加熱プレス成型した側板とCNC加工合板を張り合わせて形成されています。またティアドロップ形状にすることで音の回折が低減され、音場表現と強度に優れ、エンクロージャーの不要共振と内部定在波の排除にも貢献しています。
*5:SILENT=Structurally Inert Laminated Enclosure Technologyの略語

5)  TADホーンの流体設計を応用した新技術、エアロダイナミック・ポートシステム

TAD proのホーン開発で培われた精密な流体設計を背景にフレア形状のポートシステムにより、風切り音を徹底的に低減し、大入力・大振幅時にもユニットがストレス無く駆動し、S/Nの良い深く澄んだ低音を再生します。

6)  ベース板に高強度アルミベースプレートを採用

エンクロージャー底部に、厚さ27.5mmアルミ無垢材を採用。設置条件による音質変化を最小限にとどめ、設置台の影響を受けにくい構造としています。

7)  正確かつ精密に音の力を生かせる「ISO(Isolation)ドライブテクノロジー」をCSTドライバーに採用

CSTドライバーは、機械的な振動の伝達を遮断する独自の構造によりエンクロージャーに取り付けられています。そのためCSTドライバーによるエンクロージャーの励振がなくなり、エンクロージャーからの2次的な輻射音が低減されます。CSTドライバーの振動板からの放射音のみを正確に伝え、理想的な点音源再生として音のディテールを精密に描き出します。

8)  正美しい天然目「ポメラサペリ」突板採用と贅沢な透明ポリエステル仕上げ

高級な楽器や家具に用いられる希少な天然木「ポメラサペリ」をエンクロージャーに採用。ピアノ仕上げを施し、熟練の職人が一本づつ手作業により磨き上げ、丹念に仕上げます。

TAD-CR1の主な仕様

型式 位相反転式ブックシェルフ型
スピーカー構成 3ウェイ方式
ウーファー 20 cmコーン型
ミッド/トゥイーター 同軸16 cmコーン型/3.5 cmドーム型
再生周波数帯域 32 Hz~100 kHz
クロスオーバー周波数 250 Hz、2.0 kHz
出力音圧レベル 86 dB(2.83 V/1 m)
最大出力音圧レベル 109 dB
適合アンプ出力 50~200 W
定格インピーダンス 4 Ω
外形寸法 337 × 440 × 627 (W×D×H) mm
質量 45 kg

TAD-ST1の主な特長

TAD-CR1の思想をそのまま受け継ぎ、高強度でありながら高い制振性を持たせる構造にこだわりました。TAD-CR1の性能を最大限に引き出すための、専用スピーカースタンド(別売)です。


※写真はスピーカー本体装着時

TAD-ST1の主な仕様

外形寸法 407 × 531.5 × 532 (W×D×H) mm
質量 19 kg