TADは正確な音の再現性を極めるために信号の品質を表すC/Nに独自に着目し、検証を重ねて発振周波数に近い周波数帯域のノイズ低減を追求してきました。D700はさらに低位相ノイズを追求した「SCカット水晶片」を採用、かつ常温発振にて温度偏差が極小になるデバイスを水晶メーカーと新たに共同開発。「超高C/NマスタークロックUPCG」を第三世代へと進化させ、卓越した空間表現と共にしなやかで力強い音楽を奏でます。さらに、高純度、長寿命かつ極めて安定した高C/Nを保ち、高い信頼性と低消費電力を実現しました。

TADの技術思想「シンプル構造」に基づき、新たに開発した「電流帰還型アンプ」をI/V変換回路に採用。DACから出力された電流をそのまま帰還する電流帰還型の理想的な回路動作を実現。低インピーダンスで耐ノイズ性に優れ、純度の高い信号伝送を可能としました。その入力段には、当社の匠により厳格に選別、ペアリングされた「FETデバイス」を搭載。これにより超広帯域の信号伝送を可能にし、変換精度を格段に向上させています。さらに、フィードバック抵抗には「非磁性高信頼カーボン抵抗器」を採用。信号経路を非磁性化することで、磁性歪を徹底的に排除しました。また、TAD独自のディスクリート回路構成と高品位パーツの組み合わせによって、微小レベルからフルスケールまでのリニアリティが向上し、実在感ある音楽表現にも寄与しています。

ノイズの要因となる機械的振動を抑えきることが、音質向上のためには極めて重要です。D700のシャーシには、振動吸収能力の高い鋳造アルミニウムを採用。内部には重量のある6mm厚銅メッキ鋼板を配し、振動制御と低重心化を図っています。高剛性と低振動を兼ね備えた2層構造シャーシは振動を最小限に抑え、内部のメカなどが受ける音質的な影響を徹底排除しています。また、6mm厚銅メッキ鋼板は、グランドの低インピーダンス化にも寄与し、高S/N比で安定した音楽再生を可能にしています。

世界的にも稀有な鋳造と切削による筐体構造。プレーヤー本体部と電源部の鋳造アルミニウムシャーシは日本の城の石垣をイメージし、ダイナミックで立体感のある美しい模様としました。

電源の安定度の高さやレスポンスのスピード感を獲得するためには、強力な電源トランスが求められます。D700は、オーディオ用の電源トランスに400VAとパワーアンプ並みの「トロイダルトランス」を搭載することで信号応答性能を高めるとともに、電源部の筐体には制振性能に配慮した強固な「鋳造アルミニウム製モノコックシャーシ」を採用しています。また、電源トランス内部巻線を直出しすることで引き出し線との接点を極力削減し、電源回路の高純度化を図りました。直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキと無酸素銅（OFC）を採用することで、磁性歪を排除し徹底的に純度を高めています。これにより、広大なスケール感や繊細なピアニッシモの表現力が格段に向上しました。

高精度で正確な再生を極めるために、CD/SACDメカニズムにもTAD独自のこだわりと工夫を凝らしています。高剛性CD/SACDメカニズムは、新開発した金属軸受けを採用した高精度ローディング機構により、制振性に優れた動作を実現し、耐ノイズ性を向上しました。無限系光路を採用したピックアップ部は高安定動作と高い読み取り精度を誇ります。また、ディスクトレイ部は高度な技術が要求されるアルミ削りだし加工により、振動を抑え高い剛性を実現。トレイに配した特製黒色シートはレーザー光の乱反射を抑え読み取り精度を高めるとともに、制振性にも貢献しています。